生活への思いを探る。 インタビュー 医師/本間 隆之
笑顔の生活のために何が出来るか
私が医療に興味を持ったのは中学時代に祖父母が入院して元気になった姿を見て「すごい」と思ったことがきっかけです。
また小学校から大学まで硬式野球に打ち込み、周りの友人たちが怪我で野球から遠ざかっていくのを残念な気持ちで見ていました。
整形外科を選んだのはこうした経験と、医学部の実習で患者さんが明るく元気に退院するのを見て、自分も患者さんを元気に家族の元へ帰す手助けをしたいと思うようになりました。
研修医の頃はとても忙しく、24時間オンコールで休みや夜中でも関係なく呼び出されることが当たり前でした。
救急は激しい痛みを伴うことが多く、目の前で苦しんでいる患者さんに「何が出来るか」を考え、専門分野など関係なく痛みの原因をいち早く特定できる知識を学ぶ毎日でした。
こうした経験から判断力や応用力を身に付けることができたと思います。
としま昭和病院で働き始めたのは今から16年ほど前、当時の小島院長が大学の先輩ということもあり非常勤として外来を担当することになりました。
ここの地域は高齢者の方が多く、近年では骨粗鬆症の患者さんが増えてきたように感じます。
特に女性の方で「怪我をしてないのに腰が痛い」と生活に支障がでる状態で病院に来られる方もいらっしゃいます。
骨粗鬆症は予防がとても大切です。
また薬やリハビリだけでなく、栄養管理や普段の生活環境も重要な要素の一つです。
一旦寝たきりになってしまうと急激に筋力が低下し、本人のみならず家族の生活も大きく変わってしまいます。
患者さんの生活は家族を含んだ日常です。
一人一人は考え方や生活環境が違うことを忘れず、それぞれに合った細かい治療を提供できたらと思います。